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第29回 めいろっくP 「サルタヒコ/POARO」

このユニットが居なかったら、おそらくもっとマトモな人生を送れていたような気がする。
そして、おそらくもっとつまらない人生を送る事になっていたような気がする。
僕の人生を大きく狂わせた二人、それが鷲崎健と伊福部崇からなるユニット「POARO」である。

鷲崎健と伊福部崇。
アニラジ周りをチェックしているアイマスファンであれば、聞いた事もある人も居るだろう。
鷲崎健は春香役の声優・中村繪里子とともに行っている大喜利(そもそもこの「大喜利」というキーワードもPOAROを語る上で欠かせない物なのだが、今回の記事では割愛しておく)イベント、鷲ノ繪や、数多くのアニメイベントの司会者として活躍をしている。
一方の伊福部崇は「THE IDOLM@STER RADIO」の後番組として2009年から放送されている「THE IDOLM@STER STATION!!!」の構成作家を務め、原作のゲーム・アイドルマスター2でも、一部脚本を担当している放送作家である。

今回紹介するのは、そんな二人のユニット「POARO」が2003年にリリースした1stアルバム、「サルタヒコ」である。


サルタヒコ
「サルタヒコ/POARO」


アルバム紹介の前に、POAROとの出会いについて軽く触れておきたい。
当時中学一年生であった僕は、既に深夜ラジオの虜になっており、中でも「伊集院光 深夜の馬鹿力」は毎週欠かさずに聴取していた。
そんな「深夜の馬鹿力」が、ある時期から放送後に録り下ろしたトークをBSラジオで配信するようになり、僕は当然のごとく毎週それをチェックしていた。
トークを聴くためにはwindows media player(以下:WMP)が必要で、トークを聴き終わり次第WMPを閉じていたのだが、とある日、所用で少し席を外すことがあり、トーク終了後もWMPを閉じずにいた日があった。
用事を済ませ部屋に戻ると、番組は文化放送のBSラジオにかわっており、流れている番組では浅野真澄が喋っていた。
その頃の僕は、いわゆる『オタク』になり始めの時期であった。
にも関わらず、僕の部屋では文化放送に周波数を合わせても雑音しか聞こえず、アニラジを聴く事が出来ない環境にあった。
当時、浅野真澄という声優については深く知らなかったが、BSラジオを使ってアニラジが聞ける!という喜びで、「浅野真澄のスパラジ!」という名前のその番組聴き始めてみた。
その番組でアシスタントとして、浅野真澄に軽快なツッコミをかまし、面白い喋りをしていた肩書きの良く分からない兄ちゃんこそが、鷲崎健である。

全8回のスパラジ!を聴き終える頃には、完全に鷲崎健の虜になっていた。
BSラジオでの最終回が終わった後、声優でもない、芸人でもないこの男の喋りを聞ける機会がなくなってしまう事に謎の恐怖感を覚えた僕は、アーカイブが消えて放送が聴けなくなるまで、何度も何度もスパラジ!の最終回を聴き返した。

と、何度か聞き返しているうちに、今まで全然気にしていなかったラジオ内に流れるCMが耳に入った。
どうやらこの鷲崎健という兄ちゃんは相方と「POARO」というユニットをやっており、音楽をやっていたり、ネットラジオをやっていたりするらしいという事を知った。
2004年の年明けに初めて聞いたPOAROのネットラジオ「あと何分あるの?」の録音放送(通常は生放送)は、前年1年間の企画や放送内容を振り返る放送だった。
当然、前年の放送は1回も聞いていないし、内容も分からないのだが、その「わけの分からない面白さ」という毒が身体に回るまで、そう時間は要らなかった。
次の週になるまで、webに上がっているアーカイブをとにかく聴きまくった。床に就く時も放送を流し、それを聴きながら眠りについた(ちなみにこの習慣は8年経った今も継続している)。
その放送内でコーナー間などに流れる楽曲たち、それこそがPOAROの1stアルバム「サルタヒコ」の楽曲たちだった。

彼らは元々、深夜の馬鹿力内の「輝け!紅白電波歌合戦」という、既存の曲に対して珍奇な歌詞をつけるコーナーに投稿するためにコンビ(作詞:伊福部/演奏・歌唱/鷲崎)を組んだ。
その後、オリジナルの曲を作って活動をしていくにあたり、「おたく文化」をテーマとしていくこととなった。
当時「おたくのための歌」、あるいはその歌を唄うユニットというのは珍しく、しばしば「スキマ産業的なやりくちで出来ると思った」と本人たちが言っていたのを記憶している。

そんなテーマを持って活動したPOAROが最初にリリースしたアルバムが「サルタヒコ」である。(前書 終)


POARO -NEWTYPE-


1曲目。
軽快なイントロから「友達なんていらないさ 僕は特別だから 恋人もいらないさ 僕はSPECIALだから」と始まるこの曲を初めて聞いた時、強烈なインパクトを受けた事を昨日の事のように覚えている。
この「NEW-TYPE」はシングルとして2000年にリリースされている。
2000年代初頭時点での「おたく」という存在や「アニメ」という媒体が世間でどう捉えられていたかは分からないが、当時中学生で、学校というコミュニティが主である僕にとっては、今よりは息苦しい空気が漂っていたように思える。
この曲はクラスの輪に入れない、馴染めない主人公が自分の事を「ニュータイプ」と表現して、自分は他の連中とは違う、スペシャルな存在だと捉えている楽曲である。
曲は全編通して「クラスの日陰組」特有の「リア充」や「クラスの中心」に対して感じるネガティブエネルギーについて歌われている。
しかしそれは物騒なものではなく「お前らはそんなんで騒いでるけど、もっともっといいものがあるんだぜ」っていう、あの鬱々としつつも心地よい感じなのだ。
彼ら二人も学生時代は世間でいうところのいじめられっこのカテゴリに入る二人で、伊福部に関してはクラスメイトとコミュニケーションを取らなくていいよう、休み時間いっぱい階段の上り下りに興じてたぐらいである。
鷲崎に関しては自身の事を「"いじめられっこ"というカテゴリに入らないくらいの底辺」、「高校3年間、学校のクラスで総合で1時間くらいしか喋ってない」と振り返っている。

「おたくのための歌」というスキマ産業でやろうというのは、戦略的な面も勿論あったろうが、それとともに、間違いなく彼らの叫びだったのである。
特に1枚目の「サルタヒコ」、そしてこの「NEW TYPE」に関しては初期衝動に溢れる作品となっており、ものすごいエネルギーを感じるのである。

アニメファンなら分かると思うが、この曲のタイトル「New Type」は機動戦士ガンダムに登場する「ニュータイプ」とも掛かっている。
曲中に登場する

「キャスバルの悲しみも ミハルのせつなさも
 知らない奴らをいつか燃やし尽くす

 みんな燃え尽きた後 僕は出会うだろう
 全て分かり合える 僕だけのララァ・スン 愛しているよ」

のフレーズなどは、とてもオタク的であり、尚且つメッセージ性も強い、『オタク的ロックンロール』の要素を強く感じるのである。
ロック・ミュージシャン、特に日本の新しいロック・バンドは昔の洋楽のアーティストの名前を歌詞に用いる事が多々あるが、POAROのNEW TYPEは、それをオタク的側面から描いた、とてつもなく重要な楽曲であるように思う。

中学一年生でいわゆるオタク、みたいなものになり始めて、少し学校というコミュニティが息苦しく始めた時(そんなのはこっちの勝手で、やりようによってはどうとでも出来たよなあと、今になってみればそう思うのだが)に、この曲を聞いて「あ、俺、これで良いんだな。大丈夫なんだな」というのを強く感じた事を覚えている。
「面白い」という魅力で惹かれたPOARO、その彼らの音楽のやり口がこんな感じなら、もう一生彼らについていっても良いんだな、という事を強く感じ、何だかすごく救われたような気持ちになった。

曲のテーマはどれも一見ネガティブかもしれない。
しかし、決してそのネガティブを隠さない。
ネガティブである事を自分自身でしっかり分かっていて、その上で「後ろ向きに前向き」なのだというメッセージが伝わってくるのである。


POARO music clips ロボットの唄(A version)


サルタヒコの5曲目「ロボットの唄」が、まさにそれだ。
この曲を好きなPOAROファンは多く、僕もPOAROの中で3本指に入るほど大好きな曲だ。

学校サボって、ゲーセン行って、陽が暮れるまでロボットの唄を口ずさんで。
もう本当にダメで、どうしようもない自分っていうのが居て。
でも、それはそれで嫌いじゃないし、自分なりに確固たるものもあって。
色々な環境で辛い事があるけど、iPodからこの曲が流れてきたら、何だかとてもきれいな気持ちになって。
そういうのって単なる逃げでしかなくて、現状を打破出来ていないし、何も解決出来ていないのだけど、それでもこの歌が傍にある事で、何度となく救われた瞬間というのは確実に存在する。大切な曲の一つである。


POARO ラプソディ


アルバムの最終盤で流れるこの「ラプソディ」もやっぱりダメな人の歌で。
それでもやっぱり「後ろ向きに前向き」であり、非リアの賛美歌なのである。
4:50以降の大サビの歌詞の内容と、それに対する音の壮大さで、クスリとしながらも少しホロリとしてしまう。
そうなってしまうのは、自分がそういう道を選択して通ってきたからなんだけど、だからこそありつけたご褒美みたいな、そういう曲なのだ。

サルタヒコにはこのアニソン・オペラ「ラプソディ」や、先に挙げたガンダム曲「NEW TYPE」、ドラえもんをテーマにした「Jugendzeit」(復活編はBye Bye My Friendに差し替え)、「からっぽのポケット」、今聞き直すと哀愁さえ感じさせる「Once Upon A Time In AKIHABARA」に、大名曲の「ロボットの唄」など、非リアの初期衝動に溢れるラインナップとなっている。

2000年代のおたく事情と2012年のオタク事情では色々な事が変わってしまったかもしれない。
現に2004年にリリースされた2ndアルバムでは

「ボブ・ディランもジョン・レノンも
 尾崎豊も長渕剛もオタク・ソングを唄わないから
 仕方なく僕らがオタクに向けて唄う」

と言っていたのに対し、
2009年に発売された最新アルバムでは

「ボブ・ディランもジョン・レノンも
 尾崎豊も長渕剛もオタク・ソングは唄ってはいないけれど

 桃井はることMOSAIC.WAVがもう歌っているから
 僕らは今日変わろう」

という風に唄われている。
たった5年で色々な状況が変わっている事が分かる。

「サルタヒコ」がリリースされた2003年。
ニコニコ動画もなければ、初音ミクも居ない。
その頃の世界の「温度」を感じながら、ぜひチェックしてほしい一枚である。




Author:めいろっくP
マイリスト:投稿動画マイリス「自作マイリスト」 http://www.nicovideo.jp/my/mylist/32571776
verrockers.net内個人ブログ:「雑談と妄言のあいだ」 http://verrockers569.blog.fc2.com/



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